スピーカの能率は、1Wの電力により得られる音圧のことで、dBの単位で表わされます。 |
このdBの値が大きいほど能率が高く、一般に大型スピーカは高能率の傾向があります。 |
自動車の場合、大きく重い車は、馬力のあるエンジンが必要ですが、スピーカでは、 |
大きくなるほどアンプ側は省電力になり、ちょうど車での傾向とは逆になります。 |
単位のdBは比の対数値で、電圧では6dB=2倍ですが、電力では3dB=2倍になります。 |
能率が87dBのスピーカが100Wの電力で得られる音圧は、90dBのスピーカでは50Wで |
得られます。 |
さらに能率97dBのスピーカでは10Wと、87dBのものに比べて、10分の1の電力で |
同じ音圧が得られることになります。 |
大音量で鳴らしていても、大型や高能率スピーカでは、アンプからは数100mW程度しか |
出力されていないことも、しばしばあります。 |
大出力のアンプも容易に得られる現代、低能率や小口径スピーカでも大電力で |
鳴らすことで、大音量を得ることができます。 |
アンプのf特(周波数特性)や歪率などの電気的特性は、スピーカのそれらよりも |
けた違いに優秀で、補正もし易いので、それなりに低音も得られます。 |
電気的特性が優秀な分、いい音が得易い様に感じがちです。 |
ところが大型スピーカをゆったりと鳴らした音と比べると、音が平面的とか、画一的とか、 |
リアル感が得られないなどといった感想を聞くことがあります。 |
楽曲や楽器編成にもよりますが、たとえばチェロやウッドベース,グランドピアノなど |
の低音楽器が大きいのには理由があり、特性補正だけでは得られない世界があるのでは |
ないでしょうか。 |