原音再生指向というのは、入力信号を忠実に増幅し、再生させるアプローチです。 |
ときに完全主義的で、f特や歪率,ダンピング等をはじめ、ケーブルや試聴位置、 |
あたまの角度まで、とことんこだわる人もいます。 |
事実、これらを裏付ける理論もあり、理想とされる条件もあります。 |
音響スタジオや、リスニングルームの設計,システムの音質改善に、特性の測定や |
理論に基づく補正は有効で、多くの功績をあげてきました。 |
しかしながら、音は楽しむものです。 |
このシステムでなければとか、この部屋のこの位置でなければなど、ときとして |
窮屈に感じられます。 |
「いい音で聴きたい」,「特性を改善したい」という追求は、大事なことですが、 |
最終的には自分が満足できればいいのではないでしょうか。 |
数万円のワインを好む人もいれば、2,000円のテーブルワインで十分という人も |
います。 |
すべての録音が満足できる音とは限りませんし、人により音色の好みも違います。 |
完全主義では、すべてフラットな特性で聴き、アンプの段数や接点、素子を増やす |
ことは、まかりならんという人もいます。 |
名盤と呼ばれるものの多くは、この条件を満たしてくれますが、なかには、低音が |
物足らないものや、高音がうるさく感じる録音もあります。 |
名曲と呼ばれるものでも、いい録音状態でないものもあります。 |
トーンコントロールは、そういった要望に、さりげなく答えてくれます。 |
良質な素子と吟味された回路を組み込むことで、段数を増やすことなくトーン |
コントロール機能を実装できます。 |